私たちの手や腕の動きは、複雑な筋肉と腱の協力によって実現されています。
その中でも、上肢の伸筋支帯は重要な役割を果たしています。
伸筋支帯の下には6つの管があり、それぞれが特定の伸筋腱を通しています。
今回は、その詳細とそれぞれの役割について解説します。
1. 第1管 – 長母指外転筋腱、短母指伸筋腱
第1管には長母指外転筋腱と短母指伸筋腱が通過しています。
これらの腱は母指(親指)の外転と伸展を助ける重要な役割を果たしています。
2. 第2管 – 長橈側手根伸筋腱、短橈側手根伸筋腱
第2管には長橈側手根伸筋腱と短橈側手根伸筋腱が通っています。
これらは手首の伸展と橈側(親指側)への動きを助けます。
3. 第3管 – 長母指伸筋腱
第3管には長母指伸筋腱が単独で通っています。
この腱は親指の伸展を助ける主要な腱です。
4. 第4管 – 総指伸筋腱、示指伸筋腱
第4管には総指伸筋腱と示指伸筋腱が通っています。
これらの腱は指全体の伸展と示指(人差し指)の個別の伸展を助けます。
5. 第5管 – 小指伸筋腱
第5管には小指伸筋腱が通っています。
この腱は小指の伸展を助けます。
6. 第6管 – 尺側手根伸筋腱
第6管には尺側手根伸筋腱が通っています。
この腱は手首の尺側(小指側)への動きと伸展を助けます。
伸筋支帯の役割と構造
これらの管は、伸筋支帯の線維性の隔壁によって形成されており、
各伸筋腱が適切な経路を通って手背に到達するのを助けています。
伸筋支帯は手関節の背側にあり、橈骨と尺骨の遠位端に付着しています。
滑液鞘と腱障害
伸筋腱が通過する管は滑液鞘に囲まれており、腱の滑走を容易にしています。
しかし、この部位での腱の摩擦や圧迫が原因で
腱鞘炎や絞扼性腱障害(デクービタン病)などの障害が生じる可能性があります。
まとめ
このように、伸筋支帯下の管は
上肢の伸筋腱の適切な走行と機能を維持するうえで重要な役割を果たしています。
手や指の動きを円滑に保つために、
この構造がどれほど重要であるかを理解することは、腱の健康維持や障害予防に役立ちます。
このブログ記事が、読者の皆様にとって役立つ情報源となることを願っています。
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